女性主人公

『死なないセレンの昼と夜‐世界の終わり、旅する吸血鬼‐』案内

  • 終末世界を旅する
  • 優しい吸血鬼主人公
  • 昼と夜で姿を変える
  • 旅先での出会いと別れ

現在1巻まで刊行

1巻感想

おもしろかった!

大地が干上がり荒廃した世界、そんな中で旅のコーヒー屋さんを続けるセレンと、出会った人たち。情に厚くて優しい吸血鬼セレンが繰り返す出会いと別れの物語。

短編連作形式で読みやすかったです。終わりかけの世界を旅するって、なんでこんなに魅力的なんだろうなぁ。

この作品は主人公セレンが吸血鬼で昼の姿、夜の姿があるというのも特徴的ですね。昼の姿はヒトっぽく、夜の姿は吸血鬼らしく、それでも根底には同じ優しさがあって好きですね。セレンはヒトではない存在ですが泣いたり笑ったり感情表現が豊かで、感情移入しやすかったです。その一方でヒトではない存在だからこそ持つ長く生きることの切なさ、ヒトへの憧れや親愛がお話のそこかしこに溢れていたのもよかった。

どの話も面白かったですが、特に好きなのは最初のヘビメタお兄さんと、最後の型破りシスターかなぁ。

!以下ネタバレ注意!

2巻感想

水が干上がってしまった終末世界で、旅のコーヒー屋さんを続ける吸血鬼セレン。今回は、いびつな家族や変な国、同じ人ではないものとの出会いの2巻。

どのお話も面白かった!1巻同様に、短編連作形式が読みやすかったです。特に2話荒野が印象的。大切な人のために人ではない存在になることを決めた少女とか、好きなんだよなぁ。他にも、帝国は珍しく大きな国が舞台で、独裁者について皮肉が効いた結末でしたね。放浪は真っ当な水主さんとの交流、人の優しさと情けなさの両面が描かれていたのかなと。

500年生きているセレン視点だからこそ、客観的に人間を知っていく面白さを感じます。切なくも希望のある幕引きが多いのもよかったです。

 

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