『ご愁傷さま騎士と添い寝令嬢』案内

ほわほわ優しい。

王子の婚約発表会で空気とお酒に酔った伯爵令嬢リリアが、もっと酔っぱらってしまった騎士レイモンドに泣きつかれ、翌朝二人で見知らぬ宿で目覚めたところから始まるお話。

始まりはハプニングでしたが、その後は二人が仲良くなっていくのをほのぼのと見守る感じですね。リリアとレイモンドが作る優しい空間が好き。家族はじめ同僚など周りも二人を応援する優しい人ばかりで、読んでいて心が温かくなりました。

主人公リリアは、慈善活動に熱心で穏やかな性格、心優しく男女問わず友人も多い令嬢。ただその包容力ゆえに、恋愛に関してはお母さんみたいと断られ続けてきた経緯があります。まぁ、本人も恋に落ちるような相手がいなかったんでしょうね。

お相手の騎士レイモンドは、騎士団の隊長として仕事はとても出来るし、容姿も素晴らしい男性。ただ、女性からのアプローチは断り続けてきたと。レイモンドは、酔った姿から既に残念ではあったのですが、リリアにメロメロ状態の残念さが際立ってましたね。顔がすぐユルユル、ここぞというところで決まらない言葉の噛み方、割とすぐ泣くと(笑)おもしろかったなぁ。私はリリアとセットが前提で好きですよ。

二人のお話が、丁寧にボリュームたっぷりで書かれていて大満足でした。