「聖女に嘘は通じない」案内

賭博で鍛えた洞察力と記憶力を見込まれて、成金聖騎士エラルドから二年前の殺人事件の犯人を見つけてほしいと依頼を受けた少女クロエ。神子候補として潜入し、殺人事件の真相を追うファンタジーミステリー。

面白かったー！神子候補たちも主人公も味方陣営も色々な事情を抱えていて、それが解き明かされていくのが面白かったです。

主人公クロエが好き。クロエは努力のみで嘘を暴く力を身につけた守銭奴少女。でもその根底には優しさと温かさを持っていて、精神の強さも素敵でした。エラルドは、騎士なのに剣の腕はそれほどで、お金の力で魔道具無双する男性。商人気質で食えない面もありますが、大切な人たちに弱く精神的に脆そうな感じもあったのでクロエが必要かなと。強い少女と時折弱る成人男性のコンビ好きなんだよなぁ。メイドのイネスも存在感がありましたね。

この一冊で殺人事件の真相究明は解決し、すっきりとした終わり方なのもよかった。ただ、続けられそうな終わり方でもあったので、クロエの今後も読みたいです。