女性主人公

「スープの森」案内

感想

街から離れた森のほとりでスープ店を営むオリビア。彼女の秘密は生き物の心の声が聞こえること。その能力から気味悪がられ実家を追い出された彼女は、それから周りの人へ能力を隠しながら生きてきた。しかし、あるとき店にやってきた元傭兵のアーサーは彼女の不思議さに気づいたようで……?これはたくさん傷ついてきた2人が出会い、動物や周りの人たちに見守られながら交流し、かけがえのない絆を育むファンタジーラブストーリー。

いやぁ、やっぱり守雨さん作品最高に好き。

今までは貴族世界などで強く生きる女性が多かったですが、今回は街から離れた場所で静かな世界を自ら望み生きる女性オリビアがヒロインでした。人と交流したがらない彼女が、無意識に特別な存在として扱う元傭兵のアーサーがお相手ですね。オリビア、アーサーそれぞれの視点で物語が進んでいくので2人ともが主人公という感じ。2人とも言葉や気遣いの一つ一つが優しくて、読んでいてとても心地よかったです。

動物だと狼一家と牡鹿さんがとても良い!あの気持ちの通じ合い方は牡鹿さんは元カレと呼んでもいいと思うんですよね(え)

おじいさんとおばあさんがいなくなってからは孤独だと思っていたオリビアにも見守ってくれていた動物や人はいて、それに気づけたのはアーサーと出会ったからというのが温かい世界で好き。2人が少しずつ、でも確実に仲を深めていく描写も素敵でした。

イラストも雰囲気に合っていて素晴らしかったです。

 

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